「マイナンバーカードには、自分の大切な情報が全部入っているのでは?」
「落としたら、銀行口座や病歴まで他人に知られてしまうのでは?」
マイナ保険証や行政手続きなどでマイナンバーカードを使う機会が増える一方、こうした不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
実際には、マイナンバーカードのICチップに税・年金・病歴などの情報がすべて保存されているわけではありません。
また、暗証番号や顔認証、ICチップの不正読み出し対策など、複数の安全対策が設けられています。(参照:デジタル庁公式サイト)
ただし、カードの紛失や暗証番号の管理、不審なメールや偽サイトなど、利用する側が注意したい点もあります。
この記事では、マイナンバーカードの安全性、ICチップに入っている情報、注意したいリスク、紛失や詐欺から身を守る方法までわかりやすく解説します。
🍀安心ポイント
マイナンバーカードのICチップには、税・年金・病歴などの情報がすべて入っているわけではありません。
また、暗証番号を一定回数間違えるとロックされる仕組みや、ICチップから不正に情報を読み出そうとした場合の対策も施されています。
万が一カードをなくした場合は、24時間365日、一時利用停止の手続きができます。
📌この記事でわかること
- マイナンバーカードにはどんな安全対策があるのか
- ICチップには何が入っているのか
- カードを落としたら情報が全部漏れるのか
- 実際に注意したいリスク
- 安心して使うための7つのポイント
- 紛失したときに最初にすること
- 公金受取口座を登録すると危ないのか
マイナンバーカードは危ない?
マイナンバーカードについて不安を感じる理由の一つが、「カード1枚に自分の個人情報が全部入っているのではないか」というイメージです。
しかし、実際の仕組みは少し違います。
マイナンバーカードにはさまざまな安全対策が施されており、税や年金、病歴などの情報がカードのICチップにまとめて保存されているわけではありません。
一方で、どんな仕組みでも紛失や詐欺などのリスクがゼロになるわけではありません。
そのため、「カード自体の安全対策」と「自分で気をつけること」を分けて考えることが大切です。
カード1枚にすべての個人情報が入っているわけではない
マイナンバー制度では、個人情報を1か所のデータベースに集めて管理する仕組みにはなっていません。
税の情報は税を扱う機関、年金の情報は年金を扱う機関というように、各機関がそれぞれ情報を管理する分散管理が採用されています。
必要なときに必要な情報だけをやり取りする仕組みです。
そのため、マイナンバーカードをなくしただけで、税・年金・医療などの情報がカードから一度に読み取られるというものではありません。
ICチップに入っている情報・入っていない情報
マイナンバーカードのICチップには、本人確認などに必要な情報が記録されています。
主なものを整理すると次のようになります。
| ICチップに記録される主な情報 | ICチップに記録されない主な情報 |
|---|---|
| 氏名 | 税に関する詳しい情報 |
| 住所 | 年金に関する詳しい情報 |
| 生年月日 | 病歴 |
| 性別 | 薬剤情報 |
| 顔写真 | 特定健診情報 |
| マイナンバー | 金融機関の口座情報 |
| 電子証明書 | 預貯金残高 |
電子証明書とは?
電子証明書は、オンライン上で「確かに本人であること」を確認するための仕組みです。
マイナンバーカードには、主に次の2種類の電子証明書が搭載されています。
- 署名用電子証明書
e-Taxの確定申告やオンライン申請などで、「本人がこの手続きを行った」ことを電子的に証明するために使います。氏名・住所・生年月日・性別の4情報が含まれています。 - 利用者証明用電子証明書
マイナポータルへのログイン、コンビニでの証明書交付、マイナ保険証の利用などで、「今操作している人が本人である」ことを確認するために使います。こちらには氏名・住所などの基本4情報は含まれていません。
つまり、電子証明書は税金や年金、病歴そのものが入っている情報ではなく、本人確認を安全に行うための電子的な証明書と考えると分かりやすいです。

マイナンバーカードにはどんな安全対策がある?
マイナンバーカードには、紛失やなりすましなどに備えて複数の安全対策があります。
顔写真でなりすましを防ぎやすくしている
マイナンバーカードには顔写真が表示されています。
そのため、対面で本人確認をする場合には、拾ったカードを別人がそのまま使うことは難しくなっています。
また、カードの券面には特殊な印刷や加工も施され、偽造しにくい仕組みになっています。
ICチップの利用には暗証番号や顔認証が必要
マイナンバーカードのICチップを利用する手続きでは、利用するサービスに応じて暗証番号や顔認証などによる本人確認が行われます。
カードを持っているだけで、第三者が自由に医療情報などを見ることはできません。
暗証番号を何度も間違えるとロックされる
暗証番号は、一定回数連続して間違えるとロックされます。
たとえば、利用者証明用電子証明書の4桁の暗証番号は、3回連続で間違えるとロックされます。
ICチップの不正読み出し対策がある
ICチップから無理に情報を読み出そうとした場合に、情報を読み取れなくするための対策も施されています。
マイナンバーを見られただけでは手続きできない
「裏面に書かれている12桁の番号を見られたら危ないのでは」と心配になる方もいるでしょう。
マイナンバーを利用する際には本人確認が必要であり、12桁の番号を知っているだけで行政手続きや本人確認が完了するわけではありません。
また、オンライン手続きでは電子証明書を使う仕組みも採用されています。
だからといって、マイナンバーをむやみに他人へ教えてよいわけではありません。
必要のない相手には伝えないようにしましょう。

それでも注意したいマイナンバーカードのリスク
マイナンバーカードそのものに安全対策があっても、日常での使い方によるリスクはあります。
カードの紛失・盗難
財布と同じように、マイナンバーカードを持ち歩けば紛失する可能性があります。
顔写真や暗証番号などの安全対策があるため、落としただけですぐにすべての情報が利用されるわけではありません。
それでも、紛失に気づいたら放置せず、すぐに一時利用停止を行うことが大切です。
暗証番号を他人に知られる
カードと一緒に暗証番号を書いたメモなどを持ち歩いてしまうと、安全対策の効果が弱くなってしまいます。
特に、
- カードケースに暗証番号のメモを入れる
- 財布に暗証番号を書いた紙を入れる
- 他人に暗証番号を教える
といった管理は避けましょう。
不審な電話や偽メール
注意したいのが、マイナンバー制度や行政機関を装った詐欺です。
デジタル庁によると、マイナンバーの手続きにおいて行政機関などが、所得や資産の詳しい情報やキャッシュカードの暗証番号などを電話やメールで求めることはありません。
もちろんATMの操作を求めることもないと案内されています。
「カードの更新が必要です」
「マイナ保険証が使えなくなります」
「還付金を受け取るために口座情報を入力してください」
などと不安をあおるメールや電話が届いても、すぐに信用しないようにしましょう。
登録内容の誤り
過去には、マイナンバーに関連する情報の登録誤りが問題になったこともありました。
そのため、マイナポータルを利用している方は、自分の公金受取口座をはじめ、登録内容を確認しておくと安心です。
マイナポータルの使い方につては次の記事もご覧ください。
マイナンバーカードを安心して使う7つのポイント
安全対策があるとはいえ、日ごろの管理も大切です。
普段のちょっとした管理でリスクを減らすことができます。
1.カードと暗証番号を一緒に保管しない
暗証番号を忘れないようにメモしておくこと自体は悪いことではありません。
ただし、そのメモをマイナンバーカードと一緒に持ち歩くのは避けましょう。
カードをなくしたときに、暗証番号まで同時に知られてしまう可能性があるためです。
2.暗証番号を他人に教えない
市区町村や行政機関を名乗る相手から電話があっても、安易に暗証番号を伝えてはいけません。
行政機関が電話やメールで口座の暗証番号などを聞くことはありません。
不審に感じたら、その場で答えず、公式窓口に確認しましょう。
3.紛失したらすぐに一時利用停止する
マイナンバーカードをなくした場合は、まず一時利用停止を行います。
マイナンバー総合フリーダイヤルでは、マイナンバーカードや電子証明書を搭載したスマートフォンの紛失・盗難について、24時間365日一時利用停止を受け付けています。
4.不審なメールやSMSのリンクを開かない
マイナンバーやマイナ保険証を装った連絡が届いた場合、メールやSMSのリンクからすぐに手続きをしないようにしましょう。
不安なときは、メール内のリンクではなく、自分で公式サイトや公式アプリを開いて確認するほうが安心です。
5.マイナポータルは公式サイト・公式アプリから利用する
検索結果や広告、メールのリンクからではなく、普段から公式のマイナポータルや公式アプリを利用する習慣をつけておくと、偽サイトに誘導されるリスクを減らせます。
URLや画面に少しでも違和感があれば、個人情報や暗証番号を入力しないようにしましょう。
6.登録情報をときどき確認する
マイナポータルを利用している方は、公金受取口座など、自分が登録している情報を確認しておくと安心です。
公金受取口座は、マイナポータルで登録・変更・抹消・確認ができます。
7.分からないときは公式窓口に確認する
マイナンバーカードに関する情報は制度変更もあります。
ネット上の古い情報やSNSだけで判断せず、
- デジタル庁
- マイナンバーカード総合サイト
- お住まいの市区町村
- マイナンバー総合フリーダイヤル
などで確認しましょう。

マイナンバーカードをなくしたらどうする?
マイナンバーカードが見当たらないときは、慌てず順番に対応しましょう。
まず一時利用停止をする
最初に行いたいのがカードの一時利用停止です。
マイナンバー総合フリーダイヤルは、0120-95-0178です。
紛失・盗難の場合は音声ガイダンスの「2番」を選びます。
一時利用停止は24時間365日受け付けています。
警察に遺失届・盗難届を出す
カードを外出先で紛失した場合や盗難の可能性がある場合は、警察署や交番に届けます。
再交付を希望するときは、警察に届け出た際の受理番号が必要になるため、控えておきましょう。
市区町村で再交付手続きをする
カードが見つからず再交付を希望する場合は、住民登録のある市区町村で再交付申請をします。
紛失したカードについては、廃止の手続きも必要です。

公金受取口座を登録すると危ない?
マイナンバーカードと銀行口座を結びつけることに不安を感じる方もいるでしょう。
公金受取口座は、給付金などを受け取るための口座をあらかじめ登録しておく制度です。
登録した情報はマイナポータルで確認でき、現在は登録後の変更や抹消もできます。
また、2025年4月からは、一部の金融機関でも登録・変更・抹消の手続きができるようになっています。
ここで知っておきたいのは、公金受取口座を登録しても、国や行政機関がその口座の預金残高や入出金履歴を確認できるようになるわけではないということです。
登録されるのは、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義など、給付金を振り込むために必要な情報であり、預金残高や取引履歴は登録対象ではありません。
登録した場合は、口座を解約したときなどに変更や抹消の手続きを忘れないことも大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1.マイナンバーカードを落としたら個人情報が全部漏れますか?
カードを落としただけで、税・年金・病歴などの情報がすべて読み取られる仕組みではありません。
ICチップに税や年金、病歴などの情報は記録されておらず、ICチップを利用する際には暗証番号や顔認証などの安全対策があります。
ただし、紛失に気づいたら早めに一時利用停止を行いましょう。
Q2.マイナンバーを他人に見られたら悪用されますか?
マイナンバーだけで行政情報を自由に取得したり、本人になりすまして手続きをしたりできる仕組みではありません。
マイナンバーを利用する際には本人確認が必要です。
Q3.マイナンバーカードは持ち歩いても大丈夫ですか?
デジタル庁は、顔写真、暗証番号、ICチップなど複数の安全対策を設けたうえで、カードを持ち歩いて利用することを案内しています。
ただし、財布や運転免許証などと同じように紛失には注意が必要です。
Q4.暗証番号を忘れたり、ロックされたりしたらどうしますか?
暗証番号の種類によって手続きは異なります。
4桁の利用者証明用電子証明書の暗証番号は3回連続で間違えるとロックされます。
市区町村で再設定できるほか、条件によってはスマートフォンと対応するコンビニなどの端末を使って初期化・再設定できる場合もあります。
分からないときは、市区町村やマイナンバーカード総合サイトで確認しましょう。
Q5.公金受取口座を登録すると預金残高まで分かるのですか?
いいえ。公金受取口座を登録しても、国や行政機関がその口座の預金残高や入出金履歴を確認できるようになるわけではありません。
登録されるのは、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義など、給付金を振り込むために必要な情報であり、預金残高や取引履歴は登録対象ではありません。
そのため、「口座を登録したら預金の中身まで見られてしまう」という心配はありません。
Q6.マイナンバーについて電話で口座の暗証番号を聞かれることはありますか?
行政機関などが、マイナンバーの手続きに関連して電話やメールで口座の暗証番号やキャッシュカードを求めることはありませんし、ATMの操作を求めることもありません。
そのような連絡があった場合は応じず、公式窓口に確認しましょう。
まとめ
マイナンバーカードについて、「カードの中に自分の情報が全部入っている」と考えていた方もいるかもしれません。
しかし、実際にはICチップに税・年金・病歴などの情報がまとめて保存されているわけではありません。
さらに、
- 顔写真による本人確認
- 暗証番号
- 一定回数の誤入力によるロック
- ICチップの不正読み出し対策
- 紛失時の24時間365日の一時利用停止
など、複数の安全対策があります。
一方で、カードをなくさないこと、暗証番号を適切に管理すること、不審なメールや電話に反応しないことは利用者自身が気をつける必要があります。
特に覚えておきたいのは、マイナンバーカードそのものの安全性と、詐欺や紛失など利用時のリスクは別に考える必要があるということです。
「カードだから危険」「マイナンバーだから心配」と必要以上に怖がるのではなく、仕組みを知り、基本的な注意点を守って利用することが安心につながります。
📚参考資料
- デジタル庁「マイナンバーカードの安全性」
- デジタル庁「マイナンバーカードとは」
- デジタル庁「よくある質問:マイナンバーカードについて」
- デジタル庁「よくある質問:個人情報の保護について」
- マイナンバーカード総合サイト「紛失・一時停止/セキュリティ」
- デジタル庁「公金受取口座登録制度」



